堕ちる音
その夜、翔は健康的に日焼けした由紀(仮)の腕の中にいた。
旅行先で財布を落として途方に暮れていた僕を、由紀(仮)さんが助けてくれて。
偶然を装って、僕のほうから由紀(仮)さんを誘っていました。会話が途切れた沈黙が、なぜだか妙に甘く感じられました。
ふとした瞬間に目が合って、そらすタイミングを失ってしまったんです。
抗う気もないまま、僕は海の見えるリゾートホテルへ連れ込まれました。ドアが閉まった瞬間、空気が変わったのを肌で感じました。
唇を割って入ってきた舌に、僕は夢中で応えていました。
深く舌を絡めるキスに、膝から力が抜けていきました。
「もう一回、いける?」
生まれたままの姿にされて、僕は思わず胸と脚を手で隠しました。
彼女のシャツのボタンに僕からも手を伸ばし、二人分の衣擦れの音が重なりました。
濡れて張り付いた下着を、じれったいほどゆっくりと脱がされました。
耳を舐められながら胸を揉みしだかれ、二つの快感に由紀(仮)は理性を失いかけました。
たっぷりと濡れたそこを指で広げられ、視線を感じるだけで達してしまいそうでした。
指の動きが速くなるたび、由紀(仮)の腰は勝手に浮き上がってしまいました。
内ももを割り開かれ、下着の上からなぞられただけで、そこはもうぐっしょりと濡れていました。
翔さんの唇が下腹部へと下りていき、次に来る刺激を思って由紀(仮)は息を詰めました。
(じゅる)
「見ないで…恥ずかしい…」
「我慢しなくていい」
うなじから背筋へと舌を這わされ、ぞくぞくとした震えが全身を駆け抜けました。
薄い布をずらされ、直接指を沈められると、ぬちゅっと恥ずかしい音が響いて由紀(仮)は顔を覆いました。
太ももを大きく開かされ、恥ずかしい場所を余すことなく見られて、由紀(仮)は消えたくなりました。
焦らすように入り口だけをなぞられ、由紀(仮)は自分から腰を押しつけて「早く」とねだってしまいました。
焦らしと快感を繰り返され、由紀(仮)はもう何度も軽く達してしまっていました。
「はぁ…もっと…」
限界を訴える翔さんに、由紀(仮)は「中は…」と言いかけて、快感に言葉を飲み込みました。
ゆっくり引き抜かれてはまた奥まで沈められ、その緩急に由紀(仮)は翻弄され続けました。
ずんずんと奥を突き上げられるたび、繋がった場所からぐちゅんぐちゅんと激しい音が鳴りました。
パンパンと肌のぶつかる音が部屋中に響いて、由紀(仮)はもう自分の声を抑えることもできませんでした。
「あぁっ…そこ、だめぇ…」
「今日は離さないから」
汗と体液で濡れた肌がぶつかり合い、ベッドがきしむ音まで恥ずかしく響きました。
「もっと激しくして」と口走った由紀(仮)に応えるように、律動が一段と速くなりました。
何度も体位を変えながら、二人は汗だくになって明け方まで求め合い続けました。
何度目かの絶頂で由紀(仮)の中が強く締まり、翔さんも低く呻いて動きを速めました。
(んっ)
「お願い…止まらないで…」
頭が真っ白になるほどの絶頂に、僕はしばらく声も出せませんでした。「はぁ…もっと…」
夜が明けても、二人を包んだ熱はまだ冷めやらなかった。たった一晩の出来事ですが、僕にとっては忘れられない記憶です。